『 栞 』
夏休み最後の日に借りた本を読んでいる時、
何か落ちたのが目の端に入り、
太ももの上に落ちたモノを拾い上げてみると、
赤い折り紙で折られた、
鶴だった。
いったいダレが・・・・
挟まれていたページには、まだ先で
話の内容も始まったばかりで全体を把握出来ていない。
解っているの、年代と登場人物
そして、登場人物の半生
歴史の番組で取り上げられるので、
大きな部分は知っているが、細かな出来事、関わった人物など解らず、
読んで理解をしようと、ページを捲った矢先に落ちてきたのだ。
しおりとして使っていたのかなぁ・・・・
普段使う物は、
厚みも無く文庫などは挟まれてくるのを利用してる。
ハードカバーなら、付いているリボンを使う。
自分の中では、しおりとして該当しない折り紙を手持ち
見つめていると、足音が聞こえ、近寄ってくる気配を感じ取り
視線を上げれば、不二の姿が目に入った。
「こんにちわ」
開いていた本にしおりを入れ閉じ、膝の上に置き
「こんにちわ、不二先輩」
挨拶を返す。
約1ヶ月ぶりに、木の下で交わす挨拶に懐かしさを感じ、
目を細めていると隣に腰を降ろした不二から会話が始まった。
「今日はどんな話を読んでいるの?」
「源 頼朝です」
「確か、鎌倉幕府を開いた・・・」
「はい」
いつもの様に、が読んでいる本の話から始まり、
不二が読んでいる本の話、
授業の話、
時々、不二が育てているサボテンの話を聞いたりしながら、
休憩時間を過ごす。
「どう、面白い?」
「まだ、始めの方で・・・」
膝の上に置かれた本に視線を落とし、先程落ちて来た鶴に手を延ばした。
「それは?」
の視線と同じ動きをした不二が赤い鶴を捕らえる。
「この本に挟まれていたみたいで、読んでいる時に落ちて来たんです」
の手から、不二の手の上に移る。
「しおりにしていたのかも知れませんね」
羽根を広げたり、口ばしを触ったりしている不二を見ながらのの言葉に
「そうかもしれないね。
けど・・・」
鶴からへと視線を代え微笑みを深くしながら
「物語からこぼれ落ちたモノとか」
不思議そうに首をかしげているに
「源頼朝は妻である北条政子とは劇的な結婚をしたと言うしね。
その、2人の想いが赤い鶴になったとか」
「2人の想いですか?」
不二の言葉に不思議そうに聞いていたが、不二の言葉を呟くように繰り返し
言い終わると微笑み
「ソウだといいですね」
両手を胸の前で合わし、柔らかく微笑む。
現実ではありえない事を言う不二の言葉に首を傾げたが、
自分の中で繰り返した言葉は、どこかロマンチックだしファンタジーな感じがした。
探せば、書かれていそうな恋愛話
しおりとして使われていたであろう鶴を、
違う方向に捕らえて、話を膨らます。
不二との会話は予想も付かない事が多くて楽しい。
短い休憩時間が待ちどうしい。
それと同時に
わずかな体力の回復時間を潰している心苦しさもある。
その事を言おうとすれば、部長代理の声が掛かり休憩終了になる。
「行って来ます」
「頑張って下さい」
そんな言葉を交わしながら、コートへと歩いてく不二の後姿を見送り、
膝の上で閉じていた本を開いた。
ロマンチックも無ければファンタジーでも無い
源頼朝の半生を書かれている本を読み進んでいく。
またね。
その言葉に明日の言葉を作った。
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不二と恋する1週間(仮)
第3話目 『 栞 』でした。
如何でしょうか?段々文字数が少なくなってきているのは時間が無いからです。
まぁ、この話はコレで一杯イッパイだったんですけどね。
さて、次回がまた難しい・・・
今から無い脳みそフル回転させてネタを出してみます。